-Interview with Toshinori Kondo (2005.9.4)-
... Life Responsibility ...
Kondo : 最近、オレのところに「癌になった」とかって連絡が多いんだよ。自分のことを棚に上げてだけど、それで思うのは、やっぱりみんなかなり無理な生活を積み重ねてきたんだよね。オレが思うのは、やっぱり癌っていうのは一種の生活習慣病で、長年のそういう生活の偏りが症状として癌になったりするわけだ。だったら反対に、今までの生活習慣を改めてみたら、ひょっとしたら自分の体の中の自然治癒力が高まって、治るかもしれないじゃない。
でもそうやって、癌になったっていう人の連絡を受けて、その人の話を聞いてたら、「医者に言われたんで手術しようと思います」ってみんながそう言う。オレがそこで愕然としてるのは、「医者に言われて手術しようとしてます」っていうんなら、じゃあオマエの考えはどこにあるんだ、と。医者の考えを100％受け入れてるんだったら単なるロボットか、人任せか。自分の命まで人任せにするのか。そしたら当然その人は、「いや、医者こそ専門で、病気のことは自分たちはシロウトだから医者の言うなりに切るのが正しい」と。
それこそオレは現代の一番の病気で、そこで本当に自分の命を考えるんだったら、本当に切っていいのかなと考えて、そういう自然治癒力を高めるようなことをやってみるとかをすべきなのに、そういうことをしないで99％の人がひょっとしたら言われるままに癌の手術を受けてるのかもしれない。
オレはどっちが治るか治らないかという結果の前に、そういう風に言われたことを100％受け入れてしまう今の人間のメンタリティが、確実に狂ってると思うよ。
不思議なことに、今は世界のシステムが全部狂ってしまってると思う。政治のシステムも、経済のシステムも、軍事のシステムも。図らずも人間は高度文明社会を作り、高度テクノロジー社会を作る中で、システムがもう完全に狂ってるんだよ。オレも何年か前までは、日本の金が世界のハゲタカファンドに狙われて、奪われることはおかしいと思ってたんだけど、最近は、「アレッ？ ひょっとしたらそういう考えもおかしいのかな」と。自分の国の金を守ればいいと、日本は独立して、自分たちで意志決定できる国であった方がいいと思ってたんだけど。
でも、その医者と癌の例を挙げてみたように、ほとんどのヤツは、潜在的にかもしれないけど、ある命令に対しては100％服従するような脳の構造になってしまってるんだよ。自主的に、クールビズなんて言われなくても夏はステテコ一枚で会社に行くようなヤツは誰もいないんだから。だからやっぱり、コントロールされてるんだよ。現代の人間は、残念ながら。
牛や馬を引っぱってた江戸時代のヤツと比べたら、今の人間は確実にコントロールシステムの中に組み込まれてて、いくら理屈を言っても、アッといった無意識の瞬間に判断停止して受け入れてるんだ。これが現実だとすると、今や「日本の国を守ろう」「日本の金を守ろう」なんていうレベルでギャアギャア言ったって本当の意味では人間の意識は変わらないじゃないかと思って。
現実的に、金のシステムなんてのは、本当に世界のあるレベルの連中がコントロールし得るところまで一つになってしまってる。もう中国にだって世界の金が流れ込んでいってる、アメリカだって世界の金から借金してる、EUっていう新しい金だけが不思議な動きをしてるけど。
そんな状況で、オレが言いたいのは、「世界が一つになろう」とかジョン・レノンが言ってたけど、世界が一つの国を作る、一つの政府を作るなんてのはもう出来てるんだよ。そんなことを考えてたら、逆にそいつらの罠にはまっちゃうんで、「世界は一つ」なんてのはもう、もっと宇宙レベルまでいかないと。地球はバラバラでもいいんだよ。
—宇宙レベルまで行くか、さもなければもっと個人の、一個の生き物のレベルでシンプルに生きるようにするか、ですよね。
Kondo : そうそう、それが今オレが言ったことを補完してくれたけど、マクロとミクロの両方でね。その両方の共振で命があるとしたら。マクロが精神であるとして、ミクロがそういう物質化された身体であるとするとね。その両方が共振して、今生きてるんだろうから。
