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... Good Vibration...

Kondo : ミュージシャンは「バイブレーション」なんて言葉をよく使うわけだよ。音自体が振動でバイブレーションだからね。そのバイブレーションにもグッド・バイブレーションとバッド・バイブレーションがあるとすると、みんなの人体や、その思念もバイブレーションを発してると思うんだ。

　だから、一人ひとりがグッドバイブレーションを発すれば、その集合体としての社会もグッド・バイブレーションになる。でも、一人ひとりが悪い思念とか悪い思いの中にはまっちゃうと、全体としてもバッドなバイブレーションになっちゃう。だとすると、今の都市は、どんどん、どんどんバッド・バイブレーションの集まる場所になってきてる気がするね。いいバイブレーションが集まってるって感じがますますしなくなってきてる。

　それは，一つは人間の身体や、思いが発する一人ひとりのバイブレーションのチューニングが狂ってきてるんじゃないかな。
　オレは昔、IMAバンド時代に「Marginal Moon」って曲を作ったじゃない。あれもそういう歌詞なんだ。

"Under the light of the marginal moon
Mumbling unknown incantations
Unplug yourself from the media station
Tune in to your inner vibrations"

　まあ、人間だから深く考えるところは考える必要はあるけど、あまりヘビーに思わないで、何でも笑い飛ばせるような方がいいんじゃないかな、とオレは思うな。

　でも逆に、今生きてる人間たちは、凄まじくいい状況にも来てるはずなんだ。昔は、何十年も修行しないと悟りの境地には入れなかったわけだけど、現代人は、あることに気付いたら一瞬にして悟りの境地に入れると思う。

　例えば、空海がいた時代に、これだけ、宇宙の構造がどうだとか、遺伝子レベルで生命がどうなってるかとか、そんなことは解明されてなかったわけだよ。だから必死になって印を組んで、真空位で瞑想して、裡の真理や身体のあり方をキャッチしようと必死になってやってたわけだけど、今やもう、そういう知識においては圧倒的じゃん。

　空海が生きてたころには誰も創造もしなかったような知識量であり、そういうことをイメージして、「悟り」という言葉を言い換えて「気付き」と言うとすると、「気付き」においてはあっという間にできるんじゃないかな。

　天文学だって、1950年代までは、この宇宙に銀河系は1つしかないと思ってたぐらいだからね。地球が所属するこの銀河系以外にはない、と。それがあっという間に、今や、地球が所属してる以外の銀河系が1千億以上あるんじゃないか、ってなってる。

　地球以外の高度生命体が住んでる星についても、今までは分からなかったんだよ。望遠鏡の能力が低かったから、恒星は見えても惑星は見えなかった。でも最近は、それがだいぶ見えるようになってきたらしいね。太陽が３つぐらいあって、その周りを惑星が回ってるようなのもあったりするみたいで。そういう惑星が見えてきたら、当然、地球と同じような環境の星があるっていうのはすぐ分かると思うよ。

　宇宙のそういうレベルから、逆に考え直してみると、地球に生きてるこの人類なんてのは、まだ本当によちよち歩きかもしれないよね。

　それに、その地球環境が狂って、一番ヤバいとオレが思うのは、他の命に迷惑をかけることだよ。他の命を巻き添えにするじゃん。それがヤバい。ある予言によると人類の80％が死ぬなんて言ってるらしいけど、人間が80％死んだって、まだ10何億人生きてるんだぜ。充分じゃん、って言い方もできるわけだ（笑）。

　でも人間っていうのもオソロシイと思うのは、中世においては、ヨーロッパでもペストが流行して人口の3分の1ぐらいが亡くなったらしい。第一次世界大戦中も、スペイン風邪がはやって何千万も死んだらしい。それでも、すぐそれに対する耐性ができたりして、生き延びていくんだからね。かなり環境適応力のある生き物なんだろうね、人間ってのは。

　ただ、現代の壮大な実験としては、これだけ人工的な化学物質を体の中に入れるのは、有史以来初めてだからね。まだ何十年前に始まったばっかりで、それが結果的にどうなるかっていうのは分かってない。

　でも、50億の人間が100年間に増えた。増えるためには、それだけエッチしたんか、っていう（笑）。エッチしただけじゃ増えないんで、それを維持するための食料が要る。でも、それだけの食糧増産をしたわけだよ。スゴいよね。16億人しか食えなかった20世紀初頭から、今も後進国は本当にかわいそうな状況らしいけど、とにかく65億の人間がメシ食えることになってるわけじゃん。凄まじいよね。

　それを考えると、環境破壊も当たり前だよ。言うまでもなく、それだけの食糧を増産するためには、自然を切り開いて農地を作り、牧草地を作り、なおかつ、地元で取れるものだけじゃ食えないわけだから、食料を世界各地から運んでこなきゃいけない。

　まず、農地を切り開くためにもブルドーザーやなんかでエネルギー、石油を喰うよね。それをまた増産するには、農薬や化学肥料を使って。それも元は何かというと、石油とかだったりする。当然、運んでくるときには船や鉄道や飛行機で運ぶわけだし。
　だから、大雑把な言い方をすれば、それだけの食糧を増産できたのは、石油のおかげだとも言えるわけだ。

　だから、もし東京で自然環境についての討論会をしてる連中が、机の上にエヴィアンを置いてたりしたら、大笑いだよね。東京でエヴィアンを飲むっていうことは、フランスから日本まで運ばれてくる石油を飲んでるようなものだからね。もう笑うしかない、と言うか、"Fuckin' less than joke, men!" っていうね（笑）。

　一人ひとりの人間は、こういうことを話してみたりすれば、みんな「そうだよなぁ」って言うと思うんだよ。「イヤ、そんなことないよ……」って言うヤツはそんなにいないんじゃないかな。そっちの方が少数だとオレは思うよ。
　だのに、そういう変化をしないっていうのは、なんでだろう、と。この一つの理由は、間違いなく、企業と言うか、Making Money Machineの仕業なんだよ。

間違ってるかな、オレは。
こんなこと言ってるから二度とCMの仕事なんか来ないかな（笑）